真夜中に電話のベルが5回鳴って切れた謎が分かったかも【愛すべきハッカー】

ある晩、いつものように自宅のTVでYouTubeを見ていた時のこと。あれは、まだ日付が変わっていない、23:30頃だった気がする。突然、固定電話から”プルルル、プルルル”とベルが鳴った。こんな時間に掛けてくるなんてどこの誰だろう、と思いながら電話機を見つめていると、5回ほど鳴ったあと、勝手に切れてしまった。気味が悪いなあと思ったが、あまり気にせずその日はすぐに寝てしまった。

真夜中のベルの真相

数日後、私は『愛すべきハッカー』という本に出会い、この不思議な現象の原因をホラーとして受け止めるのではなく、論理的に推測することができた。その推測というのは、見知らぬ誰かが、どこかのコンピューターに繋がる電話番号を探っていて、たまたま私の自宅の電話番号に繋いだからというものだ。コンピューターに繋がる電話は、ピーとかピロピロなどの機械音が返ってくるらしいが、人間が出る電話は、「モシモシ」という声が聞こえるか、呼び鈴にいつまで経っても答えない場合がある。5回ほど鳴らしても出ないということは、人間用の電話と見なして次の番号にトライしたと想像できる。

もしこの推測が当たっているのなら、なぜハッカーじみたことをするのだろうか。いまどき、電話番号に繋がっているコンピューターなんてあまり無いと思う。よっぽど暇人なのだろう。まあ、社会人にもなってスナフキンのようにさすらっている私が他人のことを言える立場ではないが。

『愛すべきハッカー』(須藤慎一=著)
『愛すべきハッカー』須藤慎一著
1987年発行の書籍ということもあり情報が古いが、要所要所でなにかと人生の勉強になる。

『愛すべきハッカー』が教えてくれたことは他にもある

この本は、ハッカーはコンピューター犯罪者のことではなく、強い探求心や好奇心でハードウエアやソフトウエアをどんどん進化させていく素晴らしい逸材達なのだというように、一般のハッカーの概念を訂正して、彼らを称賛している本である。しかし、コンピューターを詳しく知らない私からすると、ハッカーたちの好きなことを仕事にする勇気、仕事に妥協せずに人に感動を与えるほどの成果物を生み出す力に尊敬の念を抱くとともに、仕事に対する向き合い方を教わった気がする。

ずっと同じ会社で働いているとその箱の中だけの生活になり、向上心や自分の仕事に興味が持てなくなったりする私であるが、別の世界を覗いてみると、狭くなっていた視野が広がり、働き方を見つめ直す機会になって良い。別世界のことを簡単に知ることができる読書は素敵だ。

自分の好きなことをし続ける

真夜中のベル事件からこんなに話が壮大になるとは思わなかったが、おそらく私の家に電話を繋いできた見知らぬ人も、コンピューターにつながるために地道な作業を厭わないくらいだから、ハッカーの卵かもしれないし、もしかしたら将来大物になるかもしれない。私もハッカーたちのように、自分の興味に正直になり、向き合い探求する姿勢を失くさずに充実した人生を送りたいものだ。

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