こんな旅がしてみたい。沢木耕太郎の『深夜特急』が教えてくれる旅のしかた

自分が大学生だったときから今に至るまで7年。毎年1回は海外旅行をしていたのですが、やっかいなウイルスが流行っている今年は行けそうにないな…ということで、沢木耕太郎さんの『深夜特急』を読んで妄想旅をすることにしました。旅好きな人はご存じの方が多い作品かもしれません。”旅と読書は似ている”とよく言うように、この本を読んでいる最中は、まるで自分が旅行をしているかのように情景がありありと浮かび、まだ見ぬ世界に連れていってくれました。

『深夜特急』は、筆者自身の体験に基づいたものとなっているので、エッセイとか旅行記のような類の本といったところでしょうか。単行本版の3部作のうち、まだ1作目しか読んでいませんが、読み進めていくうちに、この本は旅の指南書みたいだと思いました。実際、1980~1990年代の旅行者のバイブルだったそうです(Wikipediaより)。そこで私が気になった、これからの旅で活かせそうな術をリストアップしてみます。

旅の心構えリスト

  1. 外国語が分からなくても、言葉の壁を越えようとする姿勢を忘れない
  2. 安くて美味しい飲食店を求めるのなら、地元の人が大勢いるお店にすること
  3. タクシーがいつも高いというわけではない
  4. 値段交渉を恥ずかしがらない
  5. 旅のお供に本を持って行く

1. 外国語が分からなくても、言葉の壁を越えようとする姿勢を忘れない

筆者は中国語を知らなくても、日本の漢字で伝わるかもしれないと筆談でコミュニケーションを取っていたり、どうしても伝わらないときはジェスチャーで乗り切っていたりと、物語中で伝えようとする思いを強く感じました。漢字にしてもジェスチャーにしても、伝えたいと思えば伝わることをこの物語の中で体現してくれています。

2.安くて美味しい飲食店を求めるのなら、地元の人が大勢いるお店にすること

ガイドブックだと、どうしても有名どころの飲食店しか紹介されていなくて、食事代が高くついてしまうことがありますよね。しかも、おすすめされているからといって、期待外れだったこともある気がします。地元の人が好んで行くお店は安くて美味しいのは筆者が訪れた国どこでも当てはまっていました。地元の人がよく行くお店で食べるものこそ、地元の味。真のローカルフードは歩いて見つけるのですねえ。

3.タクシーがいつも高いというわけではない

私は「タクシーに乗る=お金持ち」のイメージを持っていましたが、国によってはそんなに高くないことがあるらしいです。バスとさほど料金が変わらないなら、タクシーの方が早くて快適だからタクシーを選びたくなりますよね。海外に行ったら、タクシーは高いという固定概念をいったん捨てて、料金を聞いてみるのが賢いのかもしれません。

作者がマレーシアからシンガポールへの移動で使っていた乗り合いのタクシー、楽しそうだったなあ。

4.値段交渉を恥ずかしがらない

物語の中では、作者はどの国でもホテルの宿泊料の値段交渉を行って、いつも値引きをしてもらっていました。「そいつは高すぎる」「高いなあ。もう少し安い部屋はありませんか」などの決めゼリフを言って。値段交渉は何も恥ずかしいことではないです。逆にコミュニケーション能力があると思います。値段交渉は、国や場所によってできるかどうか違うので、ケースバイケースですが、安宿や市場などで使えるワザかもしれません。日本ではできなそうだけど、海外に行ったときに挑戦してみたいです。

そういえば私、大学生の時に行ったカンボジアのナイトマーケットで、「ディスカウント!ディスカウント!」ってしきりに言ったこともあったなあ。懐かしいです。

5.旅のお供に本を持って行く

筆者は、読み切るのに時間がかかるであろう漢詩を持っていっていました。すぐ読み切ってしまう本だと他にすることが無いときに手持ち無沙汰になってしまうと考えたからです。長旅のときこそ、飛行機待ちや滞在している街に飽きたときなどに、難しい本を読んで時間をつぶす。これはグッドアイデアですね。時間の有効活用で、教養もつきそうです。

あぁ、旅したい

以上5点が、『深夜特急』から教えてもらった旅の教訓ですが、物語中ではまだまだ”バイブル”といわれる所以のキーワードが随所にあります。私もまだ第1巻しか読んでいないので、残りの2巻も読破して旅に思いを馳せようと思います。旅行したくてもできない状況でも、外国へ読者を連れて行ってくれる。そんな素敵な本に出会えました。あぁ、旅がしたい!

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